自律神経を整えて慢性炎症をやわらげる方法

自律神経整体による抗炎症効果(16の機序)

近年の医学では、多くの慢性疾患の背景に「慢性炎症」が関係していることが分かってきました。

慢性炎症とは、細菌に感染したときのような強い炎症ではなく、身体の中で微弱な炎症が長期間続いている状態です。

この状態が続くと、疲れやすい、痛みが取れない、眠れない、胃腸の調子が悪い、頭痛や肩こりが続くなど、さまざまな不調が起こります。

そして、慢性炎症には自律神経の乱れも大いに関係しています。

今回のブログは、自律神経を整える事による抗炎症効果の仕組みを16の機序で紹介します。

① 自律神経が整うと、免疫の暴走が落ち着く

強いストレスが続くと、交感神経が働き続け、アドレナリンやノルアドレナリンが多く分泌されます。

すると、好中球という免疫細胞が必要以上に活発になり、炎症を長引かせることがあります。

自律神経整体によって自律神経が安定すると、好中球の過剰な活動も落ち着き、慢性炎症が続きにくくなります。

② 迷走神経が働くことで、炎症を抑える仕組みが働く

副交感神経の中心である迷走神経が活発になると、「アセチルコリン」という神経伝達物質が分泌されます。

アセチルコリンには、炎症性サイトカインという炎症を起こす物質が作られ過ぎないよう調整する働きがあります。

この仕組みは「迷走神経性抗炎症反射」とも呼ばれています。

③ 細胞へのやさしい刺激が、活性酸素を減らす働きを助ける

整体のやさしい刺激は、皮膚や筋膜、筋肉にわずかな力を伝えています。

この刺激は細胞の中まで伝わり、生理学では「メカノトランスダクション」と呼ばれています。

細胞は刺激を受けることで酸化ストレスを調整し、活性酸素を処理しやすくなります。

活性酸素が減ることは、慢性炎症を抑えることにもつながります。

④ 血流が良くなることで、炎症を調整する物質が届きやすくなる

血液は酸素や栄養だけではなく、ホルモンや免疫細胞も運んでいます。

血流が改善すると、コルチゾルなど炎症を調整する働きを持つホルモンも必要な場所へ届きやすくなります。

その結果、身体全体で炎症をコントロールしやすくなります。

⑤ 血液・リンパ液・脳脊髄液の流れが良くなる

体液の流れが悪くなると、炎症物質や老廃物が一か所にとどまりやすくなります。

筋肉の緊張がゆるみ、呼吸や循環が整うことで、血液、リンパ液、脳脊髄液の流れが改善し、不要な物質が運ばれやすくなります。

⑥ 内臓が元気に働くことで、炎症物質が身体に入りにくくなる

自律神経は胃や腸、肝臓、腎臓などの働きを調整しています。

自律神経が乱れると、腸のバリア機能が低下し、本来体内へ入る必要のない物質まで吸収されることがあります。

自律神経が整うことで、腸の働きが改善し、炎症の原因となる物質が入りにくくなります。

⑦ 老廃物を排出する力が働きやすくなる

肝臓、腎臓、腸、リンパ系は、不要な物質を処理して体外へ出しています。

自律神経が整うことでこれらの臓器が本来の働きを発揮しやすくなり、炎症性物質や老廃物の処理が進みます。

⑧ 神経の過敏さが落ち着き、炎症の悪循環を断ちやすくなる

痛みが長く続くと、神経からサブスタンスPやCGRPという物質が放出され、炎症がさらに強まることがあります。

これを神経原性炎症といいます。

身体の緊張がゆるみ、痛みの刺激が減ることで、この悪循環が起こりにくくなります。

⑨ 肥満細胞の過剰反応を抑える

肥満細胞はヒスタミンなどを放出し、炎症やアレルギー反応に関わる免疫細胞です。

神経が過敏な状態では肥満細胞も刺激されやすくなります。

自律神経が安定すると、この過剰な反応も落ち着きやすくなります。

⑩ 心拍変動が改善し、迷走神経が働きやすくなる

心拍変動(HRV)は、自律神経が柔軟に働いているかを示す指標です。

HRVが改善すると迷走神経も働きやすくなり、身体が炎症を調整する力も高まりやすくなります。

⑪ 毛細血管が働きやすくなる

血管の内側には血管内皮という組織があります。

ここは血流や炎症を調整する重要な場所です。

交感神経の緊張がゆるみ、毛細血流が改善すると、血管内皮も本来の働きを発揮しやすくなります。

⑫ 腸内環境と腸のバリア機能が整う

自律神経は腸の動きや消化液の分泌、腸への血流にも深く関わっています。

腸内環境が整うことで腸管バリアも正常に働き、炎症を引き起こす物質が体内へ入りにくくなります。

⑬ 睡眠の質が向上し、炎症が落ち着きやすくなる

睡眠不足では炎症性サイトカインが増えやすいことが知られています。

反対に深い睡眠が取れると、炎症を調整する働きも高まりやすくなります。

自律神経整体で交感神経の緊張がゆるむことで、睡眠の改善が期待できます。

⑭ 酸素不足が改善し、炎症が長引きにくくなる

筋肉が硬くなると血流が悪くなり、組織は酸素不足になります。

この状態が続くと炎症が治まりにくくなります。

筋肉がゆるみ毛細血流が改善すると、酸素が十分に届き、組織の回復も進みやすくなります。

⑮ 呼吸が深くなり、リンパの流れが改善する

横隔膜は呼吸だけではなく、リンパ液や静脈の流れを助けています。

自律神経が整って呼吸が深くなることで、リンパの流れも改善し、炎症性物質や老廃物が運ばれやすくなります。

⑯ 脳の掃除システムが働きやすくなる

脳には、睡眠中に老廃物を洗い流す「グリンパティック系」という仕組みがあります。

この働きには脳脊髄液の流れと質の良い睡眠が重要です。

自律神経整体によって睡眠や呼吸、首まわりの緊張が整うことで、この脳の掃除システムも働きやすくなり、脳内の炎症環境の改善につながる可能性があります。

自律神経整体で慢性炎症緩和

慢性炎症は、自律神経、免疫、血流、リンパ、内臓、腸、睡眠、呼吸、神経の働きが複雑に影響し合って起こります。

自律神経整体は、身体全体のバランスを整え、本来備わっている調整力や回復力を十分に発揮できる状態へ導くことで、炎症が長引きにくい身体環境づくりを目指しています。

身体には、本来、自ら整える力が備わっています。

その力を引き出すことが、自律神経整体の大きな役割だと考えています。

自律神経整体ゆるむ
整体院長 須藤孝志