生理痛と栄養・ストレス・自律神経

「cortisol steal(コルチゾル・スチール)」から考える
「仕事も家事もこなしたいのに、生理前からガクッと電池が切れる」
「検査では異常なしと言われるのに、生理痛だけが毎月つらい」
この背景には、子宮の問題だけでなく
ストレスホルモンと栄養、自律神経の3つの影響が隠れています。
その鍵になる考え方の一つが
cortisol steal(コルチゾル・スチール)という現象です。
「栄養が足りない」のではなく
「栄養がストレスに横取りされている」のかもしれません。

1.生理痛は「ホルモンの材料不足」からも起こる
生理痛というと
・子宮が強く収縮する
・骨盤が冷えて血流が悪い
といった説明で終わることが多いのですが、その背後では
・女性ホルモンの材料が足りない
・神経を落ち着かせるための栄養が追いついていない
という「材料不足」が同時に起きていることがあります。
女性ホルモンも、痛みを和らげる神経も、
・タンパク質(アミノ酸)
・鉄
・ビタミンB群
・マグネシウム
・亜鉛
・良質な脂質(オメガ3など)
といった栄養素を材料にしてつくられています。
材料が不足したまま、からだに負荷だけが掛かり続けると、
生理前になるたびに「もう余力がありません」と悲鳴を上げるように
痛みやだるさ、情緒の不安定さが強く出やすくなります。
2.見えない主役「コルチゾル」というストレスホルモン
強いストレスが続くと、からだはまず「生きのびること」を優先します。
このとき活躍するのが、ストレスホルモンの一つであるコルチゾルです。
コルチゾルには
・血糖を保ち、頭を働かせる
・炎症を一時的に抑える
・危険に備えて、全身を緊張モードにする
といった作用があります。
短期間であればとても有用なホルモンですが、
・忙しさが途切れない
・気持ちが常に張り詰めている
・寝ても疲れが抜けにくい
といった生活が続くと、コルチゾルが慢性的に高くなりやすくなります。
そのとき、からだの中では「ある取り合い」が起きています。

3.cortisol steal(コルチゾル・スチール)とは何か
cortisol steal(コルチゾル・スチール)とは、
「ストレスに対処するために、コルチゾルが優先的につくられ、
女性ホルモンやその他のホルモンに回すべき材料が“横取り”されてしまう状態」
を指す考え方です。
同じ材料(コレステロールやビタミンB群、マグネシウムなど)から
複数のホルモンがつくられているため、
・ストレス対応用のホルモン(コルチゾル)が最優先でつくられる
・その結果、女性ホルモンや、心身を落ち着かせるためのホルモンの材料が不足する
という「優先順位の偏り」が起こります。
このコルチゾル優先の状態を、分かりやすく
cortisol steal(コルチゾル・スチール)
=ストレスホルモンによる「ホルモンの材料の横取り」
と捉えていただくと、生理痛とストレスの関係が見えやすくなります。
4.栄養不足ではなく「栄養の使われ方」が問題のことも
多くの方は、「生理痛があるなら鉄や栄養を足せばよい」と考えがちです。
もちろん不足した栄養を補うことは大切です。
ただ、コルチゾル・スチールが強く起きている状態では
・きちんと食べているのに、必要なところまで届かない
・サプリメントを飲んでも、いまひとつ効果を実感しにくい
ということが起こり得ます。
なぜなら、
・交感神経や背側迷走神経(副交感神経の一部)の働きで胃腸の血流が落ちる
→ 消化吸収力が低下する
・ストレス対応のための代謝が優先される
→ 女性ホルモンや神経のための材料が後回しになる
という、二重の意味で「栄養の使われ方」が偏ってしまうからです。
この状態では、
「足りないから入れる」だけではなく
「どこにどう使われているか」を整える視点が必要になります。
5.自律神経が整うと、栄養の行き先も変わってくる
自律神経のバランスが整ってくると、からだの中では次のような変化が起こります。
・交感神経の過緊張や背側迷走神経(副交感神経の一部)の働きがやわらぎ、腹側迷走神経(副交感神経の一部)が働きやすくなる
・胃腸の血流と動きが回復し、食事からの栄養吸収が高まりやすくなる
・コルチゾル過多の状態が落ち着き、ホルモンの材料の配分に余裕が出てくる
その結果として、
・生理前のイライラや不安が少しずつやわらぐ
・生理痛の「重さ」「下腹部痛」が徐々に軽くなっていく
・毎月の生理に対する心理負担が小さくなる
といった変化が期待できます。
生理痛を「痛みだけの問題」と見るのではなく
「ホルモンの材料がどこに使われているか」という視点で眺めると、自律神経へのアプローチと栄養ケアが一本の線でつながってきます。
6.今日から始められる“コルチゾル・スチール対策”
cortisol steal(コルチゾル・スチール)を弱めていくためには、次の二つの方向性が大切です。
一つは、「材料をきちんと入れる」こと。
もう一つは、「ストレスモードの時間を減らす」ことです。
日常で取り組みやすい例としては、
・極端なダイエットを避け、三食でタンパク質をしっかり摂る
・甘い物、アルコール、加工食品を「日常」ではなく「ときどきの楽しみ」にする
・鉄、ビタミンB群、マグネシウムなどは、食事を基本にしつつ、必要に応じて専門家と相談して補う
・寝る前のスマホ時間を少しだけ減らし、呼吸を整える時間をつくる
・「生理前と生理中は、いつもより一段ペースを落としてよい」と自分に許可を出す
といったものが挙げられます。
特別なことではなく、毎日の選択を少しずつ変えていくことが、中長期的なホルモンバランスと自律神経の安定につながっていきます。

7.生理痛を「我慢するもの」から「整えていく対象」へ
毎月の生理痛がつらいと、
「今月もまたか」
「仕事や予定に影響したらどうしよう」
という不安が先に立ちやすくなります。
けれども、
・自律神経のバランスを整える
・栄養の入り方と使われ方を見直す
・コルチゾル・スチールを弱めていく
という視点で全体像を捉え直すと、生理痛は
「ただ痛みどめでやり過ごすしかないもの」から
「時間をかけて整えていく対象」
へと位置づけが変わっていきます。
生理痛の背景には、からだの声と心の声が、重なり合って響いています。
その声に静かに耳を傾けながら、自律神経・ホルモン・栄養・ストレスのバランスを少しずつ整えていくことが「毎月の波に振り回されにくい身体」への道筋になると考えられます。
その過程で、施術による自律神経の調整と、栄養・生活習慣の見直しを組み合わせていくことが、
大阪・北摂・豊中・蛍池エリアで生理痛や自律神経の不調に悩む方にとって、現実的で再現性のあるアプローチになると感じています。
生理痛に悩む方が、
「cortisol steal(コルチゾル・スチール)」という言葉を一つの手がかりに、
ご自身のからだの仕組みを理解し、整える方向へ歩み出すきっかけになれば幸いです。
自律神経整体ゆるむ
整体院長 須藤孝志
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