皮膚に触れるだけで痛みが和らぎ、自律神経やホルモンバランスが整うってほんと?

今回は、皮膚に触れることで得られる効果について紹介します。

【結論】皮膚に触れることにより得られる効果
①痛みの軽減
②毛細血流や毛細リンパの流れを促す
③自律神経の安定
④ホルモンバランスの安定
⑤精神的な安定

これらの効果が何故得られるかを紹介します。

皮膚は感覚器です

看護roo(現場で使える看護知識)より引用

五感を働かせるという言葉を皆さん良く使いますが、そのうちの触覚にあたるのが、皮膚からの感覚です。

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層構造で、身体の内部組織を保護するとともに、多くの神経が分布して感覚器官として機能しています。

上図で紹介する様な様々な感覚器が1㎠に200個程度分布しています。
全身の皮膚は平均1.6㎡ほどですから、単純計算すると320万個の感覚器が全身に分布している事となります。
この320万個から伝わる感覚がすべて脳に伝達されるという事です。

皮膚が脳の出先器官であるといわれるのは、この数多くの感覚器が脳の様々な部分と直結しているからです。

皮膚に分布される感覚器は、触覚・温覚・痛覚・圧覚・振動・伸長などの感覚を受信して脳へ神経伝達しています

これらの皮下に密集する感覚受容器の神経線維は他の神経線維より大きく、脳の活動に直接的に影響を与えるといわれています。

暑さや寒さや湿度などの環境変化が快や不快に直接影響するのはこの為です。

画像の説明

人類は、古来より皮膚に触れる事が様々な効果を発揮する事を体験的に認知し、手当ては世界の各地で治療として活躍して来ました。
昨今、その治療効果が科学的に解明されて来ました。

その一端を紹介して行きます。

皮膚に触れると痛みが和らぐ

小さいときお母さんが「痛いの痛いの飛んで行け~」と擦りむいた膝小僧を手で覆ってくれた記憶があります。その時ほんとに痛みが飛んで行ったよう思いました。

感覚器官である皮膚に触れる事により、様々な痛みを改善する事が出来ます。

その概要を紹介しますね。

【急性痛(鋭い痛み)の軽減】
急性痛とは切り傷や・打ち身などの外的作用によってもたらされる鋭い痛みです。これらの急性痛は、Aデルタ神経線維と言う神経組織を刺激し痛みます。痛みのある部分を手で触れるとAデルタ神経線維の神経ゲートが閉じて(ゲートコントロール説)痛みが緩和します。
※ゲートコントロール説とは痛みを伝える触覚信号より(細い神経線維を通る)優先される触覚信号(太い神経線維を通る)が存在すれば、痛みを伝える触覚信号は脳中枢に届かない。(メチャメチャざっくりで有識者に怒られそうな表現ですが・・)という説です。

【痛み全般の軽減】
人は身体に触れられると脳内の島皮質という部分がが刺激されて、セレトニンというホルモンが分泌されて痛みが緩和します。
※セロトニンはオキシトシンと共に幸せホルモンと呼ばれる元気の素となるホルモンで、睡眠とも密接なかかわりを持ちます。
さらに、触れられた皮膚の周辺では毛細血流やリンパ液の流れが促進され、発痛物質であるブラジキニン・カリウムイオン・ヒスタミンなどという物質が拡散して痛みが緩和します。

【幻肢痛(無くなった手足が痛む)や、原因不明の慢性腰痛などの脳が作った痛みの軽減】
一度作られた痛みの神経伝達ルートは神経伝達が容易になってしまう特性があります。また、脳は過去の記憶や誤った身体表象認識(脳の描く身体の認識)により自ら痛みを作る事があります。
手で触れることにより正しい身体表象を脳に認識させると、これらの痛みは緩和して行きます。

三つの痛みの軽減について紹介しました。

身近にある「手の力」をぜひ活用してみては如何でしょうか。

皮膚に触れて血流とリンパの流れを促す

神経線維の端末が皮膚表面に分布しているのと同様に、毛細血管と毛細リンパ管も皮膚表面(表皮の直下・真皮)まで分布しています。

 

心臓によるポンプ効果の低下した皮下の毛細血管や、そもそもポンプを持たない毛細リンパ管は、皮膚の収縮・伸長などにより流れを促されます。

これらの毛細血管(内静脈)も毛細リンパ管も管内に逆流防止の弁があり、微細な皮膚刺激(摩る・触れる等)により、その流れが促進される特性があります。

 

リンパマッサージやアロママッサージが有名ですよね。
ただ、強すぎると逆効果なので注意が必要です。

 

毛細血管や毛細リンパ管を潰さずに、血液やリンパ液の流れを促進する強さ・・・。
※触れて皮膚が1~2ミリ程度凹む程度の圧が適当とされています。

 

フェイシャルマッサージをされる方も多いと思いますが、お顔だけではなく全身の血流やリンパを整えるとより効果的です。「真の奇麗は身体から」です。

入浴時などに優しく全身に触れて血流とリンパの流れを促してみては如何でしょうか。

慢性的な冷え症にも効果がありますよ(*^_^*)

皮膚に触れて自律神経とホルモン代謝を整える

皮膚は脳の出先器官です。
その皮膚からの神経刺激は直接脳に影響しています。

具体的には皮膚への触手による刺激は、脳幹(呼吸や血圧に関与している所)・扁桃体(感情に関与している所)・視床下部(自律神経やホルモンに関与している所)・島皮質(情動、身体表象や自己意識に関与している所)・眼窩前頭皮質(意思決定や感覚統合に関与している所)などを刺激し、自律神経を安定させホルモンバランスを整え、身体全体のホメオスタシス(体温・免疫力・血糖値などを一定にする働き)やアロスタシス(ストレス反応を元に戻す働き)を一定にしてくれます。

 

触れるだけで、体温・免疫力・血糖値が安定しストレス反応を解除できるんですね・・・。

 

「触れ合う」という言葉がありますよね・・。心の触れ合いと肌の触れ合い・・。人が生きて行くのに必要な行為だと思います。

身近な人との触れ合いを意識してみては如何でしょうか・・?

 

皮膚に触れて心を安定させる

現代人はパソコン・スマホ・テレビを始め、デジタル家電に囲まれて強いストレス下にあります。

人との触れ合いの機会もどんどん減っています。

 

人はストレスにさらされたり抑うつ状態になると不快ホルモンのコルチゾールが分泌され、血圧上昇・血糖値上昇・免疫機能低下・不妊など様々な不調を来たします。

 

皮膚に触れる事でホメオスタシス(身体の恒常性)やアロスタシス(ストレス反応を鎮める働き)が活性化します。

皮膚に触れる事で特に注目したいのがオキシトシンです。

オキシトシンは愛情ホルモンとか絆ホルモンとも言われる快ホルモンです。

人は肌に触れられるとオキシトシンというホルモンを分泌します。

オキシトシンは脳内の疲れを癒し気分を安定し心地よい幸福感を与えてくれます。

つまり、幸せを感じられるんです。

ママに抱かれる赤ちゃんや赤ちゃんを抱くママに豊富に分泌されるそうです。

そして、オキシトシンの分泌システムは恒常的に触れ合う事で脳内に定着化し、常時分泌されるようになるそうです。

大人になると触れ合う機会がどんどん減少してオキシトシンを分泌する機会も減ってしまいます。

身近な人と積極的に触れ合い、オキシトシンの力で心の安定を保ち幸せな毎日を過ごしたいものです。

「自律神経整体ゆるむ」のとりくみ

当整体院の療法【自然無痛整体療法】は、全身にそっと触れて、痛みの軽減・血流やリンパの流れを促進・自律神経の安定・ホルモンの分泌促進・免疫力の安定化を行い、自己治癒力を向上させます。

具体的には、服の上から全身の皮膚感覚器に次のような刺激を与えて脳神経に信号を送ります

①優しく擦る
②そっと触れる
③静かに圧する
④ゆらゆらと揺らす

施術後、お顔を紅潮させて「手足がポカポカ」「痛みがなくなった」と笑顔で仰るクライアント様が多数いらっしゃいます。
皮膚刺激によるオキシトシンの分泌により精神的にも充足して安らいでいるように見受けられます。
身体の不調だけではなく、精神的なストレス緩和にも効果が期待できます。

また、回数を重ねるごとに皮膚の感覚器から脳への神経伝達が容易になり、頻度・程度を減らしても痛みや不快感を感じにくい安定した身体の状態になっていきます。

「豊中むつう自然整体ゆるむ」は現代によみがえる手の治癒力(手当)の実践を通じて、心と身体のウエルビーイング(幸福)を提供し続けます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

施術体験を受け付けております。
是非一度お試しください。