小麦のグルテンが身体に悪いってほんと?【グルテンの問題点とグルテンフリーの実際】

最近注目のグルテンフリー、大手の食品マーケットではグルテンフリーコーナーができるほど一般的に周知されてきたように感じています。

でも・・なんで小麦のグルテンが身体に悪いの???

今回は小麦のグルテンが身体に及ぼす影響とグルテンフリーの実際を紹介いたします。

小麦のグルテンは何故身体に悪いの?

グルテンとは小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク成分です。パンやケーキをふわふわに膨らませたり、うどんやラーメンをもちもちっとした弾力ある食感にしたりする成分です。水に溶けると粘土の様な粘り気を発生する為、あらゆる食材の加工などにも使われています。

この便利な性質をより発揮する為に、長年品種改良を繰り返した現代の小麦は、糖質の量がズバ抜けて多く、粘性が高いグルテンを多く含む食品となってしまいました。

この小麦は、糖質とグルテンを大量に含む為、様々な健康上の問題点が懸念されます

① 血糖値の急激な上昇による問題点
② グルテン中毒による問題点
③ グルテンによる腸粘膜炎症の問題点
④ その他の問題点

その結果として

肥満・便秘・下痢・過敏性腸症候群・SIBO・慢性疲労・消化不良・アレルギー疾患(喘息・鼻炎・アトピー性皮膚炎)・副鼻腔炎・上気道炎・肌荒れ・頭痛・セリアック病・自己免疫疾患・自閉症・ADHDなど

・・・を含む、各種疾患や不定愁訴の原因になっていると言われます

小麦の問題点①【血糖値の急激な上昇】

小麦のでんぷん質である「アミロペクチンA」は、消化が早く、直ぐにブドウ糖に分解されます。
ブドウ糖は血糖値を急上昇させます。
すると血糖値のスパイクを作ってしまいます。

血糖値スパイクは様々な疾患のリスクを高めます。

そして、血糖値が高すぎると身体は命の危険を感じてインスリンという血糖値を下げるホルモンを頑張って出すわけですが、これを繰り返すと常時血糖値が低めとなり自律神経が乱れます(反応性低血糖という・・・)

この反応性低血糖は、

自律神経失調症・慢性疲労・糖尿病・腎臓病・心臓病・肥満・うつ・パニックなどの生活習慣病

にかかるリスクをあげてしまいます

「参考」
※小麦100g中のアミロペクチンA量は約70g
※食パン厚切り2枚の小麦量は約100g
※一食(食パン2枚)で砂糖70g相当の糖質を急激に吸収
※砂糖摂取量は1日25g(世界保健機構(WHO)推奨値)

小麦の問題点②【グルテン中毒】

小麦のでんぷん質は非常に消化が早く、血糖値をあげてしまいます。
一方、小麦のタンパク質であるグルテンは、分解されにくい構造をもち、別の機序で身体に様々な悪影響をもたらします。


その一つがグルテンから不完全に分解されたペプチドである「グリアドルフィン」です。
グリアドルフィンは、脳内で「オピオイド受容体」と反応して脳内モルヒネ(麻薬用物質)として作用します。
麻薬用物質ですから、至福感とともに強い依存性を発揮して中毒症状を起こします。
これが、パンや麺類などの小麦製品をやめられないグルテン中毒の原因となっています。


グリアドルフィンの濃度高値状態は、

慢性疲労・うつ・自閉症

を引き起こすことがわかっています。
また、依存により小麦製品を過食する事による肥満や、それに伴う各種疾患も懸念されます。

※肥満細胞は炎症性サイトカインを放出する為、肥満があらゆる炎症性疾患の温床となります

小麦の問題点③【グルテンによる腸粘膜炎症】

非常に分解されにくい小麦のタンパク質であるグルテンに含まれる「グリアジン」というタンパク質は、小腸内で「ゾヌリン」という物質を放出させる作用があります。


この「ゾヌリン」の濃度が高くなると「リーキー・ガット」(小腸内の粘膜が微細な炎症を起こして「タイト・ジャクション」という栄養吸収腔を広げて様々な不要物(毒素・アレルゲン・ウイルス・細菌etc)を身体に取り入れてしまう状態)を起こしてしまいます。

小麦のグルテン摂取がこの「リーキー・ガット」の大きな要因となってしまうのです。


本来なら身体に入ってこない悪性物質が小腸の栄養吸収腔を素通りすると、アレルギーや炎症を引き起こすとともに肝臓・腎臓にも多大な悪影響をおよぼします。

小麦の問題点④【その他の問題点】

グルテンによるアレルギー反応

IgG(即時型)、IgE(遅延型)のグルテンアレルギー反応があります。
IgE(遅延型)グルテンアレルギーは、不調が慢性化している場合がほとんどで、本人も気が付いていない事が多いようです。

カンジタ菌の増殖

カンジタ菌(真菌)は、健康な人にも存在する常在菌ですが、小麦グルテンの過食により腸内のカンジタ菌(真菌)が増殖する事が解っています。

腸内のカンジタ菌増殖は菌糸を作り毒素を発生する事によりリーキー・ガットを助長するとともに、様々な不定愁訴の原因となります。

グルテン不耐症

小麦グルテンの消化不良により、腹部膨満・下痢・疲労感・頭痛などを繰り返します。
小麦グルテンとの関連に気が付いていない方が多いようです。

セリアック病などの自己免疫疾患

消化されにくい小麦グルテンに対し異常な免疫反応を起こして、自身の小腸粘膜などを攻撃してしまうセリアック病といわれる自己免疫疾患があります。

栄養障害により、貧血・骨粗しょう症・発達障害・下痢・頭痛・湿疹・不妊などを引き起こします。

脳の異常興奮

グルテンを構成するアミノ酸の一種は、「グルタミン酸」という神経伝達物質になります。
グルタミン酸が脳内に大量に入ると脳は興奮します。

この際、脳の興奮を鎮める「GABA(ギャバ)」という神経伝達物質の産生も抑制してしまいます。
子供の、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの発達障害や自閉症の原因といわれています。
大人の場合は、切れやすい人・興奮しやすい人・イライラする人を作り出してしまいます。

【グルテンフリーにより期待できる効果】

血糖値を乱し、脳にダメージを与え、腸内環境を悪化させるグルテンを身体に取り込まない事で、知らず知らずのうちに影響を受けていたグルテンの問題点を排除できます。


それにより、以下の様な効果が期待できると多くの科学者や医師などの専門家が発表しています。

※参考書籍等は後半に記載

◎便秘・下痢の改善 ◎体重の減少 ◎むくみの改善 ◎美肌(アトピーや蕁麻疹の改善含む) ◎痛みの軽減(頭痛・関節痛・首肩こり・腰痛) ◎アレルギーの改善 ◎様々な炎症性疾患の改善 ◎生理痛の改善 ◎生理不順の改善 ◎集中力UP ◎イライラ・不安の解消 ◎睡眠の質改善 ◎ブレインフォグ(頭に霧がかかった状態)の改善 ◎血糖値・血圧・コレステロール値の改善 ◎その他、原因不明の不定愁訴の改善

小麦の影響があるかも?と思われた方は・・・

まずは、2週間小麦由来の製品(パン・ケーキ・パスタ・ラーメン・うどん・粉もの・揚げ物)を避けましょう。

1週間程度は禁断症状があるかもしれませんが、体調の変化も実感出来ますので、頑張りましょう!!

※カゼインフリー・シュガーフリー・プーファフリーと合わせるとより効果的です。

【グルテンを含む食品の紹介】

※グルテンは様々な食品に含まれます。

小麦製品
(パン・パスタ・ピザ・ナン・ラーメン・うどん・そうめん・お麩・マカロニ・肉まん・餃子・シュウマイ・春巻き・お好み焼き・たこ焼き・二八蕎麦・ケーキ・クッキーなど)
麦飯、押し麦(大麦)などが入っている雑穀米
シリアル製品
ルウ
(小麦粉を油で練ったもの・市販のカレーやシチュー)
天ぷら、とんかつなどの揚げ物
(衣に小麦粉やパン粉を使用したもの)
加工食品
(ハンバーグ・魚肉ソーセージ・水産練り製品などの小麦をつなぎに使用したもの)
大麦が原料の飲料
(麦茶・ビール・ウイスキー・麦焼酎) ※大麦若葉の青汁はOK
醤油
※たまり醤油やグルテンフリー醤油はOK
麦みそ
※豆味噌や米味噌はOK
ドレッシングなどの調味料
(穀物酢や穀物アルコールは小麦を使っています)
※酒・発酵食品・発酵調味料などは、発酵の過程でグルテンが分解するため、グルテンの影響は他のグルテン食品と比較して少ないという見解もあります。

【グルテンフリー食材の一例】

ムニエル : 米粉でパリッと
唐揚げ : 米粉と片栗粉を1:1で
フライ : おからパウダーや米粉パン粉で
ルウ : 豆乳とブイヨンに米粉でクリームシチュー
カレー : 米粉でとろみ ココナッツミルクでタイ風に
ハンバーグ : つなぎにおからやパウダーや高野豆腐、米粉などを使用
お好み焼き・たこ焼き : 米粉を使用
パン・ケーキ : 米粉、グルテンフリーミックスを使用
パスタ・麺類 : 米粉、キヌア、アワなどのパスタや十割蕎麦、春雨、ビーフンなど
醤油・味噌・酢・調味料 : 小麦不使用のもの

私自身もグルテンフリーを試しました

この資料を作成している私も以前は、小麦中毒でした。
朝はパンを食べ、昼にはラーメンを常食し、おやつにかりんとうを毎日一袋食べ、週末にはパスタにケーキと・・・。
当時の私は、体重76kg(身長171cm)、中性脂肪値が高く、便秘と下痢を繰り返し、いつもイライラして、アレルギー症状も強く、蕁麻疹に悩み、とても疲れやすい状態でした。

その都度、病院で検査しても改善しない不調(今判断すると、副腎疲労・低血糖・自律神経失調だと思料しています。)に悩み、自然療法を学び始めた15年ほど前から食事療法に取り組みました。

主たる取り組みは次の4つでした。

①カゼインフリー(※カゼインとは牛乳のタンパク質)
②シュガーフリー(※精製した砂糖)
③プーファフリー(※プーファとはトランス油や過酸化脂質になる油の総称です)
④グルテンフリー

グルテンフリーの効果だけではないですが、以前の不調はすべて改善ています。
体重は現在65kgをキープし中性脂肪値も正常化しています。
蕁麻疹も出なくなり、肌が綺麗になりました。

なにより有難いのは、頭がいつもクリアな状態でいられることです。
これは、麻薬用物質の脳への進入がないからだと思います。

こんな、自分自身の体調改善の経験から、自身の運営する整体院(自律神経整体ゆるむ)を訪れる方にはグルテンフリーをお勧めしています。

グルテンフリーを取り入れる方たちのほとんどが、「お腹の調子が良くなった」「肌がきれいになった」「イライラしなくなった」「過食しなくなった」と言われます。

完璧にグルテンフリーなどの食事療法を実施するのは難しいかもしれませんが、近年少しずつグルテンフリー食材も増えてきていますので、少しずつ取り組まれると良いと思います。
そして、体調が良くなったら、時々ご褒美としてケーキやラーメンなどを楽しまれては如何でしょうか。

重篤な症状で悩んでいる方はもちろん、日常的に疲れやすい程度の方も、試してみる価値はあるかと思います。

参考になれば幸いです。

※紹介した情報は書籍等に記述されている一般情報を整理・集約したものです。不調の改善を保証するものではありません。食事療法の取組みは個人の責任で実施してください。

参考書籍等

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